ロレックスはスイスの高級腕時計メーカーで、1905年にドイツ人の「ハンス・ウィルスドルフ」がロンドンで創業したのが始まりである
現在の本社所在地はスイスのジュネーブです
ロレックスの腕時計は昔から今も変わらず人気が続いており、一部の時計においては価格が高騰し続けています。
「人気」という理由以外に、なぜロレックスの時計は高騰しているのでしょうか。以下では、その主な理由をご紹介します。
ロレックスマラソン攻略|ロレックスはなぜ高騰しているのか?
コロナ禍でロレックスが世界的な品薄
ロレックスの価格が高騰している理由に、「供給不足と世界的な品薄」が挙げられます。
全世界で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症の影響により、人やモノの往来が制限され、メーカー工場も供給をストップせざるを得ない状況となっています
加えて、人員の確保やパーツの製造が難しい状況になり、原価の価格が高騰しました
さらに、国内と海外での業者間取引も制限されたため、国内への輸入もできない状況です
こうした理由により、ロレックスの時計が世界的に品薄となって需要がさらに上回り、価格が高騰していると考えられます
新型ムーブメント搭載モデルの発表と既存モデルの廃盤
ロレックスの価格が高騰している理由には、「新型ムーブメントの登場と既存モデルの廃盤」もあります
たとえば、新型ムーブメントCal.3235を搭載したデイトジャストは、72時間のパワーリザーブを実現しています
これまでは48時間だったのが72時間になったことで、約3日間は腕時計を身に着けなくても時間が止まってしまう心配がないのです
さらに、新型ムーブメントCal.3235には、カレンダー操作の禁止時間が設けられていません。そのため、日付をいつでも変更することが可能です
いろいろな時計をローテーションで使っていたり、海外出張が多かったりする方に向いたモデルといえます
ロレックスが特許を取得したエネルギー効率性が搭載された新しいモデルが次々と発売されていますが、それに伴い既存モデルがどんどん生産終了となっています
生産終了となったモデルには、たとえばシードゥエラーの「Ref.116600」「Ref.126600」、GMT-マスターIIの「Ref.116710BLNR」などが挙げられます
これら生産終了となったモデルは正規店では購入できないため、中古市場に出回っているものを購入するしかありません
生産終了によって価値が上がり、今まで以上に需要が高まっています。しかも数に限りがある状況のため、価格も高騰するのです
新型ムーブメントの登場、そして既存モデルの生産終了により今後もじわじわと価格が上昇していくと予測されます
中国バブルによる需要拡大
ロレックスはどの時代であっても、安定した需要があります
そして、年々価格高騰が進んでいるアイテムでもあります
ロレックスは装飾品としての価値だけでなく、投資を目的とした富裕層からも注目されているためです
多くの資産を持っている富裕層がその資産を増やすために、ロレックスの時計を購入しています
そうした動きは現在どの国でも見られるものの、最も大きな動きで躍進しているのが中国です
中国では、かつて日本にも起こったバブル期のような、大幅な好景気が到来している最中です
中国国内では日本よりも貴金属に対する需要が高く、これからますます高騰することが予測されるため、ロレックスが投資のターゲットになっているのでしょう
好景気が投資を後押しし、さらに中国は人口も多いことからチャイナマネーがロレックス市場に流れ込み、さらに価格高騰に拍車が掛かっている状態だと言えます
当然ロレックスが高騰していることは世界中で認知されているものの、「高くても価値のある品だから買う」といった、消費に前向きな中国のマインドが他の国にも広がっています
中国の影響によってロレックスの定価の高騰、それに伴い中古価格の相場も上がっていると考えられています
購入制限による需要拡大
「購入制限による需要拡大」もロレックスの価格が高騰している理由のひとつです
ロレックスの正規店では、2019年より購入制限をかけています
この購入制限はすべてのモデルが対象というわけではなく、「シードゥエラー」「GMTマスター」「デイトナ」などの人気モデルが対象です
同じモデルは購入してから5年間、ほかの人気モデルは1年間の購入制限がかけられているため、正規店ではその期間は入手できません
この規制により、定価価格でのまとめ買いが困難となり、並行輸入や中古での購入が増加。その結果、ロレックスの価格が高騰しているのです
※購入制限のモデル詳細については別途記事にします
2022年 ロレックスの定価の値上げ理由
ロレックスは2021年8月に定価の値上げが実施されましたが、2022年1月にも値上げしています
なぜ、ロレックスの定価の値上げが続いているのでしょうか。以下では、その主な理由をご紹介します
ロレックスの国内正規店の定価は海外より安価
ロレックスの時計は、じつはほかの国に比べて日本のほうが安いということをご存じでしょうか?
たとえば、“ロレックス コスモグラフ デイトナ 116500LN”の定価は現在約161万円です
それに対し、海外の定価は以下の通りです
↓ ↓ ↓
国 | 定価 | 円換算 |
イタリア | 12,600ユーロ | 約172万円 |
ドイツ | 12,250ユーロ | 約168万円 |
スイス | 12,500フラン | 約168万円 |
アメリカ | 13,150ドル | 約166万円 |
韓国 | 15,990,000ウォン | 約165万円 |
※2022年4月時点のレートで換算
上述した表を見ると、日本よりも海外のほうが高いということが明白です
ほかの国に合わせるため、ロレックスの定価を値上げしている可能性があります
金の価格高騰
ロレックスが定価を値上げする理由には、金の価格高騰も関係しています
金の価格は、数年間で1g約5,000円から約7,000円になるほど高騰しています
ロレックスの時計でも金を使用することがあるため、それに伴い定価の値上げをしていると考えられます
とくに純金を使用している金無垢モデル、希少価値が高いといわれているプラチナを使用したモデルは値上がりしやすいと予想されます
金無垢やプラチナのモデルは並行店価格が1千万円超えのものも数多く存在します
インフレの影響
ロレックスの定価の値上げには、インフレの影響もあります
インフレは為替レートにも影響を及ぼすため、円安が進みやすくなり物価が上昇
それに伴い、ロレックスの定価も値上げされているのだと考えられます
これは、前述の金の価格高騰にも関係しています。
- 現在ロレックス跳ね上がりの傾向
- 原因はインフレ化による金の価格高騰?
- 実は日本ではロレックスは割安
2022年 ロレックスの価格高騰、いつまでつづく?
近年、ロレックスの高騰はめまぐるしいものがあるものの、減産による品薄さえ解消すれば、相場は自然に落ち着いていくと予想されています
しかし、ロレックスがこれまで通りの生産が再開されるタイミングは、今のところわかっていません
2021年には全世界を襲ったコロナウイルスの猛威により、ロレックス本社のあるスイスでも、1日あたり数千人規模の感染者が報告されていました
2022年に入り以前よりもコロナウイルスの猛威が収まる兆しを見せながらも、これまで通りとはいかない状況が続いています
いつになれば相場が落ち着くかはわかりませんが、だからといっていつまでも待ちの姿勢でいる必要はないようです
ロレックスの定価が高騰しているのと同時に、中古市場での買取相場も急上昇しています
ロレックスからの供給が乏しくなったことで仕入れに苦労している並行店では、商品を積極的に集めています
以前よりも高額査定が付きやすくなっており、ユーザーにとっては大きな利益を得る絶好のチャンスが訪れている状態だとも言えるでしょう
もし手元に使用していないロレックスがあるのであれば、中古価格が高騰しているこのタイミングで売却をし、相場が落ち着いた頃も軍資金に充てるといった方法もオススメです
ウクライナ情勢はロレックスの需要に影響する?
ウクライナの情勢は、ロレックスの価格にも影響を及ぼしました
ロレックスが高騰していたトップの時期を10とするならば、ウクライナ危機に陥って8割ほどに下がり、現在は9割くらいに持ち直しています
今後の不安定な情勢が続いて価格の変動が起こることも考えられますが、ロレックスは資産性の高さを認知する方も増えているため、極端に下がることもなく安定しそうです
また、現在はこれまで投資用として購入してきたロレックスを売却する人も多くなっており、今後もしばらくその傾向は続くと考えられています
ただ、ロレックスはロシアへの輸出を停止しました。その結果、年間で60〜80万本の腕時計を生産すると言われているロレックスの腕時計が、今までロシアに分配されていた分が多少なり日本への輸出量に影響があることも考えられます
それでも、今までよりも急激に入荷数が増えるわけではないので、まだまだ高騰は続くと予想はできます
- 高騰は2022年も続きそう
- コロナが収まれば自然に収まる可能性大
- ウクライナ情勢は大きな影響にならず
他社ブランドについて知る
『世界3大時計』ってご存知でしょうか?
- パテックフィリップ(PATEK PHILIPPE)
- オーデマピゲ(AUDEMARS PIGUET)
- ヴァシュロンコンスタンタン(VACHERON CONSTANTIN)
この3ブランドが『世界3大時計』と言われています
そう、ロレックスは3大にも入っていないのです!
なぜなのか?
1.品質の高さ
ロレックスももちろん高級な素材を使っていることは確かですが、『世界3大時計』に関しては、ステンレススチールにしろ、K18ゴールドにしろ、プラチナにしろ、世界中から選び抜かれた高級素材しか使わないこだわりがあります
2.高い技術力
『世界3大時計』の3社は、それぞれ自社一貫生産に力を入れています
ムーブメントの部品の製造から時計の組み上げまでを完結させ、自社一貫生産をしているメーカーのことを「マニュファクチュール」と呼びます
『世界3大時計』の3社はこのマニュファクチュールをいち早く導入していました
3.長い歴史による伝統
パテックは1839年、オーデマピゲは1875年、ヴァシュロンコンスタンタンに関しては1755年に創業されています
前述にもありますがロレックスは1905年創業です
この歴史の差も『世界3大時計』たる所以になります
機械式時計の発展に尽力してきた老舗にしかない蓄積された時計作りの信念とノウハウがそこには存在しています
世界3大時計とロレックス
世界3大時計の定義はありません
ただ、なぜ上記の3ブランドが『世界3大時計』と言われるのかといえば、創業以来一度も途絶えていないという点があります
他の高級腕時計ブランドでも、世界のさまざまな情勢によって一度は歴史が途絶えてしまって、改めて復活するブランドが数多くあります
そんな中でも『世界3大時計』と言われる3ブランドは長い歴史の中で一度も途絶えていません
もう一つに、この3ブランドは高級腕時計以外を作ったことがありません
全てのモデルに最高峰の技術力と材料を使っているということです
実際にロレックスに関しても1905年創業以来途絶えたとこはなく、常に最高峰の技術力を製品に注ぎ込んできているので、『世界3大時計』と並ぶほどの実力はあるとは思います
ただ、生産数に関して見てみると、前述でもちらっと記載しましたが、ロレックスは年間の生産本数が60〜80万本と言われています
それに対して『世界3大時計』の年間生産本数は2万〜5万本とも言われています
この差は、単純に企業規模の違いでもあるとは思いますが、希少価値で言うと明らかに『世界3大時計』と言われている3大ブランドが圧倒的ですね
とはいえロレックスは人気

September 4, 2019 – Rome, Lazio, Italy – Rolex watches on display in the window of a jeweler, watchmaker. Rolex Oyster Perpetual Submariner
それでも結局、高級腕時計として1番人気なブランドといえばロレックスであることは間違いありません!
生産数が多いのも一つの理由ではありますが、定価が100万円以上のものが入荷しては即完売。
金無垢のモデルで定価が500万円近くするものでもあっという間に売れてしまい、プラチナ製の1000万クラスのモデルまでもが店頭に並ぶことなく売れてしまうという現状があります
この人気はいつまで続くのかはわかりませんが、まだまだロレックスの時代は続くことは確かです!